
「オナニーとタイツ鑑賞のしすぎは心身に悪い」
そんな友人の忠告に、私は一時の気の迷いで屈してしまった。
かくして、私の人生における聖典、すなわちタイツを少しの間生活から排除することになった。
まさに、オナ禁ならぬ「タイ禁」である。
ルールは徹底した。
自らの魂の削り出しであるタイツイラストの制作を封印し、街ゆく女性たちの足元から這い上がる「漆黒のグラデーション」からは頑なに目を背けた。
さらに、アルゴリズムが私の性癖を完璧に理解し、吸い込まれるようなタイツ&黒パンスト画像しか流れてこないTwitter(X)のタイムラインも、断腸の思いでログアウトした。
その結果、私の世界からは「色」が消えた。
大袈裟ではない。
タイツというフィルターを介さない現実は、あまりにも無機質で、彩度の欠けた砂嵐のような映像だった。
それまで24時間、タイツによるドーパミンに脳を焼かれ「タイツハイ」状態だった私の精神は、供給を断たれた瞬間に急降下し、重度の鬱状態にも似た廃人へと成り果てた。
体は鉛のように重く、仕事の生産性は、見るに堪えないほど壊滅した。
思考は霧に包まれ、集中力は霧散し、ただひたすらに貧乏ゆすりだけが虚しくデスクを揺らし続けた。
私の細胞が、血流が、網膜が、あの「80デニールの深淵」を求めて悲鳴を上げていた。
とにかく苦痛で何も手がつかず、一睡もできないまま迎えた漆黒の夜。
私はついに限界を迎えた。冷や汗とともに、ある確信が脳裏をよぎった。
「このままでは、俺は死ぬ!タイツを摂取しなければ、俺の生命維持システムが停止する!」
生存本能に突き動かされた私は、震える指先でマウスを握り、サンクチュアリへの扉を叩いた。
自らが心血を注いで描き上げた、至高の質感を誇る**「神タイツフォルダ」**を、ついに解禁したのだ。

ジーザス!!
その瞬間の衝撃を、どう表現すればいいだろうか。
モニターから放たれる「黒」の輝きが瞳孔を突き抜け、全細胞が歓喜の産声を上げて沸き立った。

脳内に溢れ出す多幸感、全身を駆け巡る熱い血潮。
死にかけた廃人が嘘のように息を吹き返した。
その時、私は真理を悟った。
タイツとは嗜好品でも、娯楽でもない
もはや、呼吸や食事と同じく、私がこの残酷な世界で正気を保ち、人間として生きるために欠かせない**「生存インフラ」**なのだと
ノータイツ, ノー ライフ。

ジーザス!!


